CTEPH.jp 医療関係者の方

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診断について

CTEPH(慢性血栓塞栓性肺高血圧症)以外の
肺高血圧症との鑑別

他の肺高血圧症との鑑別には、肺換気-血流シンチグラムが有用

肺高血圧症のスクリーニング後、CTEPH(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:慢性血栓塞栓性肺高血圧症)と他の肺高血圧症との鑑別に進みますが、それには、肺換気-血流シンチグラムが有用です。

肺血流シンチグラム(肺血流シンチ)は、侵襲も少なく、繰り返し検査が可能で、慢性肺疾患などの換気障害に伴う血流減少を鑑別する意味でも、診断的価値は高いとされています。

肺血流シンチは、区域性の血流欠損が特徴

CTEPHの肺血流シンチ所見は、区域性の血流欠損が、単発または多発して認められ、(図1中)
肺血流シンチ所見が正常であれば、CTEPHは除外されます。
また、CTEPHの肺換気シンチ所見は一般に正常です。
換気と血流のミスマッチを認めた場合には、CTEPHを積極的に疑って肺動脈造影や造影CTなどの施行を考慮します。

一方、肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)は、肺血流シンチが正常、あるいはmottled liked※1で、区域性欠損を呈さない点が、CTEPHとの鑑別点になります(図1左)。

※1 mottled liked:斑状パターンのことで、小さな斑状の集積欠損が散在し、CTEPHとの鑑別に苦慮する場合がある

図1 肺高血圧症の鑑別診断での肺換気-血流シンチグラム所見

肺高血圧症の鑑別診断での肺換気-血流シンチグラム所見

循環器病の診断と診療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告):肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)

CTEPHの診断基準に示されている肺換気-血流シンチグラム所見

CTEPHの診断基準では、肺換気-血流シンチグラム所見は、表1のように定められています。

表1 CTEPHの肺換気-血流シンチグラム所見(診断基準より抜粋)

(2)検査所見

  • ②肺換気・血流シンチグラム所見
    換気分布に異常のない区域性血流分布欠損(segmental defects)が,血栓溶解療法または抗凝固療法施行後も6か月以上不変あるいは不変と推測できる.推測の場合には,6か月後に不変の確認が必要である.

循環器病の診断と診療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告):肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)より抜粋

確定診断には、肺動脈造影などが必要

しかし、肺換気-血流シンチグラムは、壁在器質化血栓や再疎通した血栓性塞栓を血流欠損像として検出しないため、肺循環障害としての重症度を反映できないこともあります。
そのため、手術適応を決定する際には、肺動脈造影ないし造影CTによる正確な血栓部位の把握や、右心カテーテル検査による肺循環動態の評価が必要です。

CTEPHの診断の流れ(CTEPHの診断基準を含む)はこちら

References

  • ・循環器病の診断と診療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告):肺高血圧症治療ガイドライン(2012年度改訂版)
  • ・循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2008年度合同研究班報告):肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)