CTEPH.jp 医療関係者の方

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診断について

CTEPH(慢性血栓塞栓性肺高血圧症)の診断の流れ

 

主訴から肺高血圧症を疑い、他の肺高血圧症を除外し、CTEPHと確定診断する

CTEPHは、慢性疾患でありながら、必ずしも初めに急性期の症状を呈するとは限りません。主訴が労作時の息切れで、他にこれを説明できる原因が存在しない患者では、本症を疑うことが重要です。
診断後、肺高血圧症のスクリーニング検査に進み、さらに、CTEPH以外の肺高血圧症との鑑別を行います(図1)。
CTEPHの確定診断には、肺動脈造影もしくは胸部造影CTと、右心カテーテル検査が必要です。

図1 CTEPHの診断の流れ

図1 CTEPHの診断の流れ

循環器病の診断と診療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告):肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)より作図

診断基準

CTEPHの診断基準は、肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)により表1のように定められています。このような症状や臨床所見を参考にしながら、診断を進めます。

表1 CTEPHの診断基準

慢性血栓塞栓性肺高血圧症は,器質化した血栓により肺動脈が慢性的に閉塞を起こし,肺高血圧症を合併し,臨床症状として労作時の息切れなどを強く認めるものである.本症の診断には,右心カテーテル検査による肺高血圧症の診断とともに,他の肺高血圧症を来たす疾患の除外診断が必要である.

(1)主要症状および臨床所見

  • ①労作時の息切れ
  • ②急性例にみられる臨床症状(突然の呼吸困難,胸痛,失神など)が,以前に少なくとも1回以上認められている.
  • ③下肢深部静脈血栓症を疑わせる臨床症状(下肢の腫脹および疼痛)が以前に少なくとも1回以上認められている.
  • ④肺野にて肺血管性雑音が聴取される.
  • ⑤胸部聴診上,肺高血圧症を示唆する聴診所見の異常(Ⅱ音肺動脈成分の亢進,Ⅳ音,肺動脈弁弁口部の拡張期心雑音,三尖弁弁口部の収縮期心雑音のうち,少なくとも1つ)がある.

(2)検査所見

  • ①右心カテーテル検査で
    1.肺動脈圧の上昇(安静時の肺動脈平均圧が25mmHg以上,肺血管抵抗で240dyne・sec・cm-5以上)
    2.肺動脈楔入圧(左心房圧)が正常(15mmHg以下)
  • ②肺換気・血流シンチグラム所見
    換気分布に異常のない区域性血流分布欠損(segmental defects)が,血栓溶解療法または抗凝固療法施行後も6か月以上不変あるいは不変と推測できる.推測の場合には,6か月後に不変の確認が必要である.
  • ③肺動脈造影所見
    慢性化した血栓による変化として,1.pouch defects,2.webs and bands,3.intimal irregularities,4.abrupt narrowing,5.complete obstructonの5つのうち少なくとも1つが証明される.
  • ④胸部造影CT所見 造影CTにて,慢性化した血栓による変化として,1.mural defects,2.webs and bands,3.intimal irregularities,4.abrupt narrowing,5.complete obstructionの5つのうち少なくとも1つが証明される.

(5)認定基準

以下の項目をすべて満たすこと.

  • ①新規申請時
    1)診断のための検査所見の右心カテーテル検査所見を満たすこと.
    2)診断のための検査所見の肺換気・血流シンチグラム所見を満たすこと.
    3)診断のための検査所見の肺動脈造影所見ないしは胸部造影CT 所見を満たすこと.
    4)除外すべき疾患のすべてを除外できること.
  • ②更新時
    手術例と非手術例に大別をして更新をすること.
    • 1)手術例
      肺血栓内膜摘除術例においては,肺高血圧症の程度は改善していても,手術日の記載があり,更新時において肺換気・血流シンチグラム所見ないしは胸部造影CT 所見のいずれかの所見を有すること.
    • 2)非手術例
      肺血管拡張療法などの治療により,肺高血圧症の程度は新規申請時よりは軽減もしくは正常値になっていても,内科的治療継続が必要な場合.
      • a)参考とすべき検査所見の中の心臓エコー検査の所見を満たすこと.
      • b)診断のための検査所見の肺換気・血流シンチグラム所見,胸部造影CT 所見のいずれかを有すること.なお,肺換気・血流シンチグラムないしは胸部造影CT 検査は,新規申請時に使用した検査と同一のものでないこと.
      • c)除外すべき疾患のすべてを除外できること.

循環器病の診断と診療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告):肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)

References

  • ・循環器病の診断と診療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告):肺高血圧症治療ガイドライン(2012年度改訂版)