CTEPH.jp 医療関係者の方

このサイトは、医療関係者の方を対象に、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に関する情報を掲載しております。
ご利用の際は、必ず注意事項をお読みください。
あなたは医療関係者の方ですか?

診断について

CTEPH(慢性血栓塞栓性肺高血圧症)の
スクリーニング検査

 

血液検査

肺高血圧が軽度の場合には、血液検査所見は正常な場合があります。しかし、肺高血圧によって、右心負荷や右心不全が生じると、その重症度に応じてBNP(brain natriuretic peptide) 、NT-proBNP(N-terminal proBNP)、尿酸が上昇します。
さらに、右心不全が重度になると、肝機能異常を生じるおそれがあります。

一方、CTEPH(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:慢性血栓塞栓性肺高血圧症)の場合には、凝固線溶系分子マーカーである、フィブリノゲン、FDP(フィブリノゲン分解産物)およびDダイマーなどを増加することがあります。
その他、CTEPHとの直接的な関連は証明されていませんが、凝固能異常に関わるアンチトロンビン、プロテインC、プロテインSなどの欠乏を認めることもあります。

動脈血ガス分析

動脈血ガス分析では、過換気による低酸素血症が反映されます。
CTEPHの場合、PaO2※1、PaCO2※2がともに低下し、A-aDO2※3が開大します。

※1 PaO2:arterial partial pressure of oxygen(動脈血酸素分圧)
※2 PaCO2:arterial partial pressure of carbon dioxide(動脈血二酸化炭素分圧)
※3 A-aDO2:alveolar-arterial O2 tension difference/gradient(肺胞気動脈血酸素分圧較差)

胸部X線写真

閉塞領域の肺血管陰影の減弱(Westermark sign)、および対側への血流増加などといった肺血管陰影に局所差が認められることが特徴とされますが、ほとんど異常の認められないことも多く注意が必要となります。また肺出血や肺梗塞を合併すると、肺野に浸潤影・策状影に加え、胸水の貯留も認められます。
肺高血圧症を合併すると、肺門部肺血管陰影の拡大や左第Ⅱ弓の突出、心陰影拡大がみられます。

心電図検査

肺高血圧症の進行に伴い、右室肥大による心電図変化(右室ストレイン、V1 のR波増高、R/S比> 1、右軸偏位など)や、右房負荷に伴う肺性P波などがみられます。

心エコー法

心エコーは、非観血的な肺動脈圧の推定に有用ですが、肺高血圧症の確定診断には、右心カテーテル検査が必須です。肺動脈圧の推定には、連続ドプラ法を用いた三尖弁逆流速度から、簡易ベルヌーイ式※4を用いるのが一般的です。

※4 簡易ベルヌーイ式:推定肺動脈収縮期圧=4 ×(三尖弁逆流速度)2 +推定右房圧)
推定右房圧は、しばしば固定値(5mmHgもしくは10mmHg)が用いられるが、より詳細な右房圧を、下大静脈径と呼吸性変動の程度から推定する方法も提唱されている

CTEPHの診断の流れ(CTEPHの診断基準を含む)はこちら

References

  • ・循環器病の診断と診療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告):肺高血圧症治療ガイドライン(2012年度改訂版)
  • ・循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2008年度合同研究班報告):肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)