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PEA(PEAの適応について)

術前検査と手術適応の判断

術前検査と手術適応の判断

CTEPHに対するPEA適応の判断は、PAG(pulmonary angiography :肺動脈造影)により肺動脈の閉塞形態(病変の局在と閉塞・狭窄の程度)を把握し、右心カテーテル検査でPHの重症度と心機能を評価し、肺血流シンチグラフィーの所見を参考に、全身状態を考慮して総合的に判断します1)、2)

かつては、PVRが1,000 dyne・sec・cm-5以上の重症PHはPEAの適応外とされていましたが、経験の蓄積と手術成績の向上により適応の限界が広がりつつあります3)。PEAの適応判断は、PHの重症度よりも肺動脈病変の局在が重要です。したがって、mPAPやPVRなど右心カテーテル検査の結果を参考に、PAG上の病変の局在に重点を置いて決定されます4)

JamiesonらによるPEAの適応基準では、重篤な合併症がないことを適応基準の1つとしてあげていますが、まず通常の胸骨正中切開下の心臓手術が可能であることが前提であり、再手術などの理由で胸骨正中到達が不可能な症例、左心機能や呼吸機能が不良な症例はPEAを行うことができません。その他、担がん症例、感染症を含む重篤な全身疾患を有する症例などはPEAの適応から除外されます5)

PEAは難度の高い手術であり、技術的なラーニングカーブが必要ですが、それよりも手術適応の判断のほうがより多くの経験が求められます4)

略語

  • CTEPH: chronic thromboembolic pulmonary hypertension:慢性血栓塞栓性肺高血圧症
  • PEA: pulmonary endarterectomy :肺動脈血栓内膜摘除術
  • PH: pulmonary hypertension:肺高血圧
  • PVR: pulmonary vascular resistance: 肺血管抵抗
  • mPAP: mean pulmonary arterial pressure:肺動脈平均圧

References

  • 1) Jamieson, S.W.et al.: J Thorac Cardiovasc Surg 106(1):116-126,1993
  • 2) Jamieson, S.W.et al.: Ann Thorac Surg 76(5):1457-1462,2003
  • 3) Thistlethwaite, P.A.et al.: J Thorac Cardiovasc Surg 124(6):1203-1211,2002
  • 4) 荻野 均:医学のあゆみ240(1):123-128,2012
  • 5) 荻野 均:循環器3(10):86-95,2013