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PEA

PEAの治療成績

PEAの治療成績と病院死亡の危険因子

PEAの治療成績は、年々改善しています。1990年、San Diegoの治療成績(PEA実施後の病院死亡率)は12.6%と報告されていましたが、1993年は8.7%、2002年は4.5%、2003年は4.4%と改善しています1)~4)。日本においてもPEAの治療成績は向上してきています。国立循環器病研究センターにて、荻野らがPEAを担当したCTEPH患者160例(1995~2011年11月)の早期成績は、入院死亡率6.9%と報告されています5)。また、術後1年以上を経過したCTEPH患者130例のうち120例の遠隔成績は良好であり、3年生存率は99.1%、5年生存率は95.2%、7年生存率は93.3%(図1)、遠隔期心肺事故回避率は3年通過時点では95.3%、5年通過時点では88.8%、7年通過時点では83.7%であることが報告されています5)

病院死亡については、Jamiesonらは術後PVR≧500 dyne・sec・cm-52)、Mayerらは術前のPVR>1,200 dyne・sec・
cm-5、6分間歩行距離、ICUでのPVR、さらに最後の肺塞栓発症からPEAまでの期間6)を危険因子としています。また、荻野らは、早期死亡の危険因子は、凝固異常やDVT(deep vein thrombosis:深部静脈血栓)がなく原因不明なもの(OR:10.1、P=0.011)、NYHA Ⅳ(OR:3.4、P=0.004)と報告しています5)。病変部位別では早期死亡に差は認めなかったこと、さらに残存PHの危険因子として末梢型肺動脈病変(OR:3.4、P=0.014)があげられることなどを報告しています5)

図1 PEA施行後のCTEPH患者の遠隔期生存率

PEA施行後のCTEPH患者の遠隔期生存率

荻野 均:Heart View 16(3):92-97,2012 より改変

試験方法:
2009年5月までにPEAを実施し、術後1年以上経過したCTEPH患者130例(平均年齢53歳(19~79歳)、女性82例(63.1%)、緊急手術4例(3.1%)の生存率、心肺事故回避率を14年間追跡した。

略語

  • PEA: pulmonary endarterectomy :肺動脈血栓内膜摘除術
  • CTEPH: chronic thromboembolic pulmonary hypertension:慢性血栓塞栓性肺高血圧症
  • PVR: pulmonary vascular resistance: 肺血管抵抗
  • PH: pulmonary hypertension:肺高血圧

References

  • 1)Jamieson, S.W. et al.: J Thorac Cardiovasc Surg 106(1):116-126,1993
  • 2)Jamieson, S.W. et al.: Ann Thorac Surg 76(5):1457-1462,2003
  • 3)Thistlethwaite, P.A. et al.: J Thorac Cardiovasc Surg 124(6):1203-1211,2002
  • 4)Madani, M.M. et al.: Ann Thorac Surg 94(1):97-103,2012
  • 5)荻野 均:Heart View 16(3):92-97,2012
  • 6)Mayer, E. et al.: J Thorac Cardiovasc Surg 141(3):702-710,2011