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CTEPH(慢性血栓塞栓性肺高血圧症)とは?

CTEPH(慢性血栓塞栓性肺高血圧症)の疫学

 

増加するCTEPHの患者数(特定疾患医療受給者証所持者数)

CTEPH(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:慢性血栓塞栓性肺高血圧症)は、難治性疾患克服研究事業の特定疾患治療研究事業対象疾患に認定されています。
患者数を正確に把握することは困難ですが、CTEPHの特定疾患医療受給者証所持者数をみると、2012年度で1,810件、2013年度は2,140件、2014年度は2,511件、2015年では2,829件と増加しています※1
この件数は、肺高血圧症の中で最も典型的な臨床像を呈するとされる、肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)でも増加しています。

図1 CTEPHとPAHの特定疾患医療受給者証所持者数

CTEPHとPAHの特定疾患医療受給者証交付件数

※1 難病情報センターホームページ 国の難病対策 >> 特定医療費(指定難病)受給者証所持者数より作成

わが国では女性に多い

また、治療給付対象者の臨床調査個人票※2をもとにしたCTEPHの国内疫学調査(2011年度)では、女性に多く(女2.6:男1)、年齢は平均64±13歳と報告されています。
一方、海外では性差は認められていません。

※2 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業「呼吸不全に関する調査研究」報告より

急性肺血栓塞栓症の疫学

急性肺血栓塞栓症の発生数は、米国では、50~ 60万人/年で、急性期の生存症例の0.1%~ 0.5%がCTEPHへ移行すると推定されています。
しかし最近、急性例の3.8%が慢性化したとの報告があり、急性肺血栓塞栓症例では、常にCTEPHへの移行を念頭に置くことが重要と指摘されています。

急性例および慢性例を含めた肺血栓塞栓症の発生頻度は、わが国では欧米に比べて少ないと考えられています。病理解剖を基礎とした1988年の報告では、急性肺血栓塞栓症の発生率は米国の約1/10でした。
また、わが国の急性肺血栓塞栓症の疫学調査での発症数は、7,864人(2006年)で、10年間で2.25倍に増加しています。これを人口100万人あたりに換算すると62人で、米国の約1/8です。

深部静脈血栓症の疫学

深部静脈血栓症の診断、治療でも、常に肺血栓塞栓症を念頭に置くことが重要と考えられます。
米国の深部静脈血栓症の発生数は、116,000から250,000例/年、1976年から2000年の論文解析をすると、発生頻度は、10万人あたり50例/年です。
わが国では、1997年に日本静脈学会静脈疾患サーベイ委員会から、506例/年と報告されました。
その後、2006年には、肺塞栓症研究会の短期アンケート調査で、14,674例/年と推計され、この発生頻度は10万人あたり12例/年となります。
近年、わが国の深部静脈血栓症の発生頻度は、欧米の約1/4まで増加したと考えられます。

References

  • ・難病情報センターホームページ 診断・治療指針 >> 呼吸器系疾患調査研究班(呼吸不全)作成
    慢性血栓塞栓性肺高血圧症
  • ・循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2008年度合同研究班報告):肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)