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CTEPH(慢性血栓塞栓性肺高血圧症)とは?

CTEPH(慢性血栓塞栓性肺高血圧症)の成因

 

成因は明らかでなく、欧米では急性肺血栓塞栓症例からの移行を想定

CTEPH(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:慢性血栓塞栓性肺高血圧症)の発症機序は、いまだ不明確ですが、欧米では、急性肺血栓塞栓症からの移行を想定しています。

米国では、急性肺血栓塞栓症の発生数が50~ 60万人/年で、そのうち急性期の生存症例の0.1%~ 0.5%がCTEPHへ移行すると推定されていました。
しかし、その後、急性例の3.8%が慢性化したと報告され、急性肺血栓塞栓症例では、常にCTEPHへの移行を念頭に置くことが重要と考えられています。

欧米と異なる発症機序が存在?

さらに、深部静脈血栓症では頻度が低いとされるHLA-B*5201※1やHLA-DPB1*0202と関連する症例が、国内で報告されています。これらのHLAは、欧米では極めて頻度の少ないタイプです。
その他、海外では性差がないのに、日本では女性に多いことも合わせると、わが国では、欧米と異なった発症機序を持つ症例があることが示唆されます。

※1 HLA:Human Leukocyte Antigen(ヒト白血球抗原)

肺動脈閉塞の程度が肺高血圧の要因として重要

CTEPHでは、肺動脈閉塞の程度が肺高血圧の要因として重要で、多くの症例は、肺血管床の40%以上の閉塞を認めるとされています。
また、血栓塞栓の反復と肺動脈内での血栓の進展が病状の悪化に関与していることも考えられ、以下のようなsmall vessel diseaseの概念も病態を複雑化していると考えられます。

  • ①PAHでみられるような亜区域レベルの弾性動脈での血栓性閉塞
  • ②血栓を認めない部位の、増加した血流に伴う筋性動脈の血管病変
  • ③血栓によって閉塞した部位より遠位で、気管支動脈系との吻合を伴う筋性動脈の血管病変

基礎疾患があるとは限らない

また、CTEPHの基礎疾患として、血液凝固異常14.6%(そのうち抗リン脂質抗体症候群75%)、心疾患12.8%、悪性腫瘍9.8%などが認められますが、43.9%の症例では明らかな基礎疾患は認められませんでした。

不溶性フィブリンが慢性化の一因?

米国で、CTEPHの患者さんの血中に、溶けにくいフィブリンがあると報告されています。慢性化の一因として注目されています

References

  • ・循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2008年度合同研究班報告): 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
  • ・循環器病の診断と診療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告):肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)