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BPAの適応について

On the indication of BPA

術式決定に際したBPAとPEAの適応の相違

BPA適応の決定に際して、CTEPH に対する根治術で最も推奨される治療法はPEAであることを忘れてはなりません。

そのため、BPA適応を決定する前に、PEA適応かどうかを肺高血圧症の診断・治療に精通した内科医とPEAに熟練した外科医、BPAに熟練したカテーテル治療医を含んだ多職種から構成されるハートチームで良く検討すべきです。PEA・BPAに向いていると考えられるCTEPH症例を示します(図1、図2)。

図1 BPAが向いている症例

肺動脈造影

BPAが向いている症例
図2 PEAが向いている症例

肺動脈造影(写真左) CT(写真右)

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ハートチームのレビューにより、PEA適応外とされたCTEPH症例(PEA後の残存肺高血圧症も含む)の中で、BPA適応症例は以下のような基準で示されます(表1)。なお、多臓器不全をもつ症例はリスクが高く、通常、BPA適応とはなりません。また、腎機能障害症例についてはPEAのリスク・ベネフィットが低いと判断した時のみ、BPA の治療対象となります。

なお、病変や併存疾患のためにPEA適応外と判断された場合のBPA適応について、肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)1)ではLevel C、Class Ⅱa、ESC/ERSガイドライン(2015年)2)では、Level C、Class Ⅱbで推奨されています。

表1 BPAの適応
 

適応症例

主な対象

① PEA の施行困難例

・病変が区域動脈以下にあり、外科的に到達困難、もしくは区域動脈から近位部にあるが、手術に支障をきたす合併症などのためにPEA を施行しない症例
・PEA 後に肺高血圧が残存もしくは再発した例

② 内科的治療で
効果不十分例

内科的治療によってもNYHA/WHO機能分類Ⅲ度以上(平均肺動脈圧が30mmHg以上または肺血管抵抗が300dyne・sec・cm-5 以上)

③ 説明と同意

病状およびBPAのリスクベネフィットを十分に説明したうえで本人(および家族)がBPAを希望している

④ 除外基準

重度の多臓器不全、とくに腎機能障害

2014年版慢性肺動脈血栓塞栓症に対するballoon pulmonary angioplastyの適応と実施法に関するステートメント
(2011-2013年度合同研究班報告)


略語

CTEPH: chronic thromboembolic pulmonary hypertension:慢性血栓塞栓性肺高血圧症
BPA: balloon pulmonary angioplasty:バルーン肺動脈形成術
PEA: pulmonary endarterectomy :肺動脈内膜摘除術

References

  • 循環器病の診断と診療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告)肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)
  • Galiè N, et al.: Eur Heart J. 37(1): 67-119, 2016.
  • 2014年版慢性肺動脈血栓塞栓症に対するballoon pulmonary angioplastyの適応と実施法に関するステートメント (2011-2013年度合同研究班報告)

 

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