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呼吸器科医が診るCTEPH(慢性血栓塞栓性肺高血圧症)の診断プロセスVol.1

Diagnostic process of CTEPH

呼吸器科医が診るCTEPHの診断プロセス Vol.1 Chapter3 2020.1.14更新

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    次に、CTEPHの病態について解説します。
    APTEの多くは、抗凝固療法などにより急性期を脱することができれば寛解しますが、中には急性期を脱したにもかかわらず、CTEPHに移行する例もあります。最近では、APTEの3.8%が慢性化したと報告されており、APTEでは常にCTEPHへの移行を念頭に置くことが重要です。また、CTEPHの病態では、器質化した中枢肺動脈血栓が非常に重要です。では、なぜ中枢肺動脈に血栓ができ、器質化が起こるのでしょうか。CTEPHの器質化血栓から細胞成分を分離すると、筋線維芽様細胞(myofibroblast like cells:MFL)および内皮様細胞(endothelial like cells:EL)が認められます。特にMFLは高い増殖能を有しますが、正常な細胞の場合は、増殖しても細胞間が一定の密度になると増殖を止め、一層にしかなりません。

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    しかし、CTEPHの血栓内にあるMFLは増殖の制御がきかず、非常に高い増殖能を示します。これらの細胞の存在が実際に血栓形成や器質化に関与するかどうかは不明です。

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    通常、血管内皮が障害を受けると、線維芽細胞(fibroblast)が外膜から内膜へ移動して筋線維芽細胞(myofibroblast:MF)となり、コラーゲンにより障害を受けた部分を修復し、修復が完了するとMFはアポトーシスに至ります。しかし、CTEPHにおいては、より高い増殖能を有するMFLが血栓内に残存することで、血栓形成および器質化の原因になっているのではないかと考えます。

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    ともに肺動脈圧の上昇を呈する疾患として、CTEPHの鑑別診断時に重要となる特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)ですが、その主な病変部位は末梢肺動脈です。
    しかし、CTEPHでは末梢肺動脈にも中枢肺動脈にも病変が存在します。CTEPHにおいては中枢肺動脈病変がメインであるため、治療は外科的手術が第一選択ですが、そのバランスが重要であり、末梢肺動脈病変をターゲットにした治療も必要となります。

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    1)肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
    解説・監修 千葉大学医学部附属病院 呼吸器内科 坂尾 誠一郎先生

    Chapter 1

    呼吸器科医が診るCTEPHの診断プロセス

    Chapter2

    CTEPHの病態はどこにあるのか?
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