患者さんに聞くCTEPH体験談

体験談 3埼玉県在住 K.Y.さん
仲間が励みに
一人で悩まず、ともに歩む

患者会をはじめ、同じ悩みや苦しみを共有できる仲間にめぐる会えたことが心からの励みになっている

最初に入院したのは5年ほど前でした。具体的にいつから発症したというのは分からないのですが、徐々に階段や坂道を歩くのが息苦しくつらくなっていきました。もともと貧血気味でしたのでその症状が進んだのかと、実際に採血をしてみると、数値は貧血の値を示していましたので、鉄剤を処方していただいていました。一時的にではあるものの鉄剤を飲むと元気になるので、それをしばらく続けていました。

ところが1年ほど経つうちに徐々に苦しさが増していって、鉄剤を飲んでもまったく症状が解消されなくなりました。今までそうは思わなかったところを歩いていても、坂を上っているように感じるようになり、隣の友人に話すと「あれ?坂なんてあったかしら」と驚かれたりしました。もともと貧血がある上、40代後半だったこともあり、年齢的にも更年期の症状に当てはまるものでもあったので、そういったものかと考えていました。

ところがいよいよ入院となる2週間くらい前には、もう、普通の生活が送れなくなっていました。仕事には、なんとか這うようにして行っていましたが、少し動くだけでもふうふうと、息切れがしている状態でした。婦人科に思い当たる病気があったので、まずは婦人科を受診したところ、「次回、MRIをとってみましょう」ということになりました。「このまま帰るにはあまりに苦しいんだけどなあ」と思いながら帰宅したところ、翌日も全く状態が変わらなかったので、別の病院の婦人科に行ってみました。私を診察した先生は「これは婦人科ではありません。すぐに内科に行ってください」とそのまま内科に紹介され、「心不全の一歩手前です。即入院してください」となりました。

入院は1ヶ月ほどにおよび、ワルファリンの点滴薬などを流しても一向に血栓が流れず、肺動脈圧も下がりませんでした。そして、いろいろと調べた結果、ようやくCTEPHとの診断がつきました。私の場合、病院に最初に行ってから専門の先生にたどり着くまでは比較的早かったと思いますが、その前に様子を見ていた期間は今になってみると長かったですね。

CTEPHという病名を最初に聞いた時は、「よく分からないなあ」という印象でしたが、インターネットなどで調べてみると、難病で、進行性でなどと、あまり良いことが書いていませんでした。先生は「ネットの情報は古いこともあるし、今は治療法もだいぶ変わってきているので、あまり深刻に考えないように」と励ましてくださいました。今後のことを考え、思い切ってセカンドオピニオンを受けたいとの相談をしてみたところ、大いに賛同してくださり、現在の病院に転院しました。

しばらく薬で様子を見ていましたが、1年ほど経った頃、カテーテル治療をしましょう、ということになり、半年間で計7回受けました。治療後は、薬や酸素の量も減り、半年後の検査では肺動脈圧が10mmHg代まで下がっていましたが、1年後の検査では少しだけ上がっていました。しかし、カテーテル治療を受けてからは、症状はどんどん良くなっていて、「動けるようになったなあ」と感じています。現在は、先生と相談しながら、体調を踏まえて薬を調節しています。

治療を決断するのも勇気が要りますが、主治医の先生と十分に相談の上、積極的に考えるのも一つの選択肢だと思います。悩みや不安は当然ありますが、先生から「完全に治る病気など、実はほとんどないんですよ。ですので、そんなに重苦しく考えなくてもよいですよ!」と励まされました。確かに世の中の病気はほとんど慢性的なものだと納得し気分的にも少し楽になって、病気に対しても前向きになれました。私の場合、患者会をはじめ、同じ悩みや苦しみを共有できる仲間にめぐり会えたことが心からの励みになっています。一人で悩まず、仲間と一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。