肺高血圧症患者さんと医師による座談会 第3回 in 東京

~患者さんの自立した社会生活や就業支援を考える~

体への負担を考えつつもアクティブに

安静と活動のバランス

安静と活動のバランス

村上さん:肺高血圧症の患者さんから、動きたい気持ちはあるのに、先生からは「無理をするな、安静にしていなさい」と言われてしまうという声を聞いたことがあります。

坂尾先生:そのお気持ちはよく分かります。しかし肺高血圧症は命にかかわる病気ですから、大前提としていかに病状を安定させるかが大事です。肺高血圧症の患者さんは肺が酸素をうまく取り込めない状態ですから、体を動かすことは負担になります。ただし、社会に積極的に参加していただきたい、仕事や趣味を再開していただきたいという気持ちは私たちも常に持っています。

安静と活動のバランス

金村さん:私はこの病気になった当初は安静にしていましたが、最近は無理のない程度に動くようにしています。仕事の打ち合わせでも地下鉄の2駅分程度の距離なら歩いて行っていますし、散歩に出かけることもよくあります。

また、「病気であることに甘えない」ことを意識して、自分でできることは自分でやる、自分でできることは何かを常に考えるようにしています。どうしてもダメな時にだけ助けてもらうという姿勢が良いと思います。

春名先生:難病のせいで職場の人間関係が悪化してしまう状況として、ご本人が職場で「難病なのであれもできません、これもできません」という一方的なスタンスになってしまうことがあげられます。仕事を続けておられる難病患者さんがよくおっしゃることは、難病でできないことがあるのは当たり前ですが、あまりそればかりにこだわらず、難病があっても自分のできることは何かというスタンスで職場の上司とも相談していくという姿勢が大切だ、ということです。難病に限らず、子育てや介護、持病の治療など、職場で色々な事情を抱えている人は多くいます。自分の体調の良い時にはそういう人たちを助けたりするなど、職場で「お互い様」の人間関係を築いていくことも大切です。

原野さん:私は、仕事と同じように趣味も続けたいと思っています。中学生の時に始めたドラムの演奏は今も続けています。

坂尾先生:何のために治療しているのか?何のために生きているのか?究極的に言うと、人生を楽しむためですよね。体の負担にならない範囲で、仕事をされて、余暇を充実させることが患者さんの人生にとって大切なことだと思います。

第3回 in 東京